2012年 読書記録一覧
1123 NO.30■名木田恵子「赤い実はじけた」p125/PHP研究所/99/04
1119 NO.29■はやみねかおる「帰天城の謎〜TRICK青春版〜」p292/講談社/10/05
1104 NO.28■名木田恵子「赤い実たちのラブソング」p330/11/09/PHP研究社
1015 NO.27■長野まゆみ「レモンタルト」p188/講談社/09/10
1010 NO.26■橋本紡「葉桜」p247/集英社/11/08
1007 NO.25■朝倉卓弥「北緯四十三度の神話」p227/文芸春秋/05/12
0923 NO.24■重松清「再会」p297/新潮社/09/10
0917 NO.23■よしもとばなな「どんぐり姉妹」p152/ 新潮社/10/11
0823 NO.22■「そういうものだろ、仕事っていうのは」p318/日本経済新聞社/11/02
0819 NO.21■「シティ・マラソンズ」p213/文芸春秋/10/10
0814 NO.20■橋本紡「ハチミツ」p269/新潮社/12/06
0801 NO.19■五條瑛「上陸」p290/講談社/05/04
0728 NO.18■伊藤たかみ「カンランシャ」p236/光文社/09/06
0727 NO.17■島本里生「波打ち際の蛍」p203/角川書店/08/07
0723 NO.16■あさのあつこ「NO.6完全ガイド」p119/11/06
0722 NO.15■あさのあつこ「NO.6#9」p203/11/06
0718 NO.14■宮部みゆき「名もなき毒」p489/幻冬舎/06/08
0714 NO.13■あさのあつこ「NO.6 #8」p193/講談社/09/07
0713 NO.12■あさのあつこ「NO.6 #7」 p194/講談社/08/10
0706 NO.11■橋本紡「今日のごちそう」p283/講談社/12/03
0629 NO.10■森絵都「この女」p309/筑摩書房/11/05
0627 NO.09■島本理生「クローバー」p259/角川書店/07/11
0608 NO.08■伊坂幸太郎「グラスホッパー」p322/角川書店/04/07
0524 NO.07■島本理生「アンダスタンド・メイビー 下」p332/中央公論新社/10/12
0521 NO.06■島本理生「アンダスタンド・メイビー 上」p367/中央公論新社/10/12
0516 NO.05■森絵都「異国のおじさんを伴う」p205/文芸春秋/11/10
0506 NO.04■宮沢賢治「ポケット日本文学館2 銀河鉄道の夜」p301/講談社/95/04
0502 NO.03■金城一紀「レボリューションNO.0」p157/角川書店/2011/02
0430 NO.02■高橋治「花ものがたり」p251/新潮社/93/11
0418 NO.01■立原えりか「花ものがたり」p167/小学館/93/03


1123 NO.30■名木田恵子「赤い実はじけた」p125/PHP研究所/99/04
『赤い実たちのラブソング』を借りてきて、先にこちらの本が出版されていたことを知ったので久しぶりに児童書を借りてきました。先のラブソングでは基本的に大人になった主人公達の恋愛にまつわる短編だったのですが、これはあくまで赤い実がはじめる=心の中ではっとする瞬間というモチーフで扱われているため必ずしも恋愛ではありません。基本的に人を好きになるってどういう事だろうという一貫したテーマはあるように思いますが、家族の問題なども取り上げています。また、気になっていたハナさんのエピソードは特に見当たらなかったのが少し残念でした。

1119 NO.29■はやみねかおる「帰天城の謎〜TRICK青春版〜」p292/講談社/10/05
背表紙の「TRICK」の文字と鶴田譲二さんの描かれたあまりにもぴったりな上田氏、そしてはやみねかおるさんというキーワードで借りてきました。劇場版公開にあたり、はやみねさんがオリジナルで練ったエピソードだそうです。山田さんの心の突っ込みや独り言めいたテキストがはやみねさんらしく料理されていて、ライトな感じで楽しくまとめられていたように思います。例のごとく日本のどこかの山奥、怪しげな村と村人に言い伝えがわんさか出てきて、なつかしいなーと思いつつ読みました。さらにいうなれば、TRICKは動作や画面的な面白さもかなりあったと思われますし、今作でもあれはこうなってとネタシーンのイメージがわいたので映像で見てみたかったなという欲も。私としてはおもしろい謎で楽しかったです。

1104 NO.28■名木田恵子「赤い実たちのラブソング」p330/11/09/PHP研究社
『赤い実はじけた』という小学生教科書にも掲載された名木田さんの続編。彼らの”その後”が描かれているそうです。掲載時から19年、ミソジに突入した彼らの今は…。
私は前述の赤い実はじけたを知らずに本書を手に取りました。基本的に短編連作形式でアラサーをいかに生きているかが描かれています。一般的にいうような、あの子はあんな子だからあんな生き方をしているだろうな、やっぱりな…というものではなく、こんな女性が今はこうしているのか…とすっと入り込んでいける作風が素敵だなと感じました。たった20頁から30頁の中にそれぞれのキャラクターが息づいていて、それも型にはまったキャラクターではないのが好き。
ただ、良くも悪くも少女漫画の域から出ていないような印象も受けました。内容や描写が綺麗ごとだけではなかったとしても、そこにえぐるものがないような。冷たいガラスを指でなぞっているような印象。あと一点だけ、前作を読んでいないためか、沢谷君の心の変化と何を思ったのかが最後までわからなかったのが気にかかったので、『はじけた〜』の方も読んでみたいと思いました。きっとこちらで登場していた子なんでしょうね。小学生、そして中学生の淡い恋物語、楽しみです。

1015 NO.27■長野まゆみ「レモンタルト」p188/講談社/09/10

1010 NO.26■橋本紡「葉桜」p247/集英社/11/08
ストーリー:高校生書道教室

1007 NO.25■朝倉卓弥「北緯四十三度の神話」p227/文芸春秋/05/12
ストーリー:大学を卒業して地元に戻ってきた妹。昔は仲の良いしまいだったのに、今はほんの少し遠くに感じていて。
それぞれに持っているコンプレックスと、流れてしまった時と異性と。いろいろな思いで妹を見つめるものの…。

0923 NO.24■重松清「再会」p297/新潮社/09/10
いろいろなものとの再会をテーマにした6つの短編集。
子供同士の言葉にしづらいなんともいえない気持ちや、そういえば子供ってそういうところがあるなって思うような作風の重松さん。下町のやさしさのような、読むとふと目が遠くなるような感覚を覚えます。それがどんな気持ちなのかはきっと違うけれど、たまにああこんなことがあったなと思わずにはいられないような。
一番心に残ったのは「チャーリー」かな。スヌーピーの登場人物であるチャーリー・ブラウンのように、うまくいかないことがしばしば起こった子供時代。それらをそっと懐かしむように、苦い思い出とともにあの頃を思い起こす。高学年になって、平均地点よりも大幅に”出来る”子が出てきて、順番付けを意識するようになったとき。自分のクラスでの立ち居地を、場の雰囲気についてを感じ始める時のちょっとした息苦しさが印象的でした。
あと、印象的だったのは「永遠」。小学校高学年、6年生を指導する教師である主人公は、ある時児童の変化に気がつく。中学受験をする子と公立小学校へ進学する子。ちょっとずつ時間の使い方が変わり、友達間でもかみ合わなくなってきた彼らを見守るものの、これが人生の分岐点でこれからの人生で関係のない人になってしまうのだろうかと思うシーンがある。そこで、主人公の彼女は思う。「この頃から彼らは自分の身の回りのものに順番をつけて物事を取捨選択するようになるのだ」と。そして人生はそうやってその時々に合った選択をしていて、小学生の頃のそれというのはめったにつながらない場合だって多々ある、けれどこの時に感じた友情や一緒にいた時間は本当にそれだけのものなのか。もどかしさが募るお話ですが、こうであって欲しいと感じるお話でもありました。

0917 NO.23■よしもとばなな「どんぐり姉妹」p152/ 新潮社/10/11
ストーリー:webの片隅に”どんぐり姉妹”と名乗りひっそり 活動する姉妹がおりました。『ちょっと話を聞いて欲しい、そんなときに私達にお手紙を出してください』と添えられて。そっと誰かと話すと落ち着いたりしませんか?お金を取ったりはしません、ただメールのやり取りをする。そんな彼女達がどうやって生きてなぜどんぐり姉妹を結成しようと思ったのか、そんなお話。
無償の愛なんてむずがゆい言葉ではなく、ボランティアともちょっと違う。だれかに寄り添うというほど支えているわけでもないけれど、ふと見たときそこにいてほっとする存在。それがどんぐり姉妹なのだろうと思います。
まだ小学生頃に両親をなくし、おばさんの家で生活したこと。おばさんの家を出た後、なかなか次の”家”になじめなかったこと、めぐりめぐってたどり着いたおじいさんとの生活。そういうシーンに存在するほっこりした木綿のような印象の一冊でした。こういった生活をしてきたので、もちろんそこには紆余曲折と苦労があるけれど、今楽しそうに恋する姉と、ゆっくり少しずつお日様を心地よく思うようになってくる妹をさっぱりとした文章で描かれているため、決して強すぎない活力が感じられました。読み終わったときに思ったのは、晴れた日に木々の間にロープを張って洗濯物を干そうとしているイメージ。

0823 NO.22■「そういうものだろ、仕事っていうのは」p318/日本経済新聞社/11/02
新聞社からの(電子)出版だったのですね!ここを記入するにあたり初めて確認したのですが、とても納得でした。そんなわけで、仕事にまつわる6つのお話。
社会人になるまで、人には次のステップといわれるものが用意されていて、その中でいかにいいステータスを得るかを競争している。そんなイメージがここのところあります。だけど社会人になったら?次に何を目指すのかというよりも、これからの人生をどう過ごすかに重点が変わってくるような気がします。もちろん職業上熟練するためのステップはあるとおもうけれど、ある程度の収入と安定した生活があり、もし時間があるのなら。どう時間を使うのか。そういう事を考えさせられる今日この頃、石田衣良さんのお話はなるほどなと。私が自分の人望や人脈について考えたのに通ずるものがある気がします。
重松清さんはちょっとくたびれた背広を着て、一生懸命頑張るお父さんがぴったり合う。素直にほろりときてしまう、『ホームにて、蕎麦。』。還暦を向かえた父が探してきた第二の人生は、ホームの立ち食い蕎麦屋で…。それがこんなお話になるとはなぁ。
事務職女子が覗き見た職場事情を一見淡々と語る津村喜久子さんのお話も職種ならではの面白さがあり、大崎善生さんはバルセロナを旅するシーンから始まり相変わらずのさらっとしたタッチなのに中身は回りめぐってある”今”という目指した職業・仕事とは少し違ったタッチだけれど、そもそも人生ってこういうものかもしれない、そして仕事はそれに寄り添っているのかもしれないと思ったり。
楽しいだけの小説ではないので、それぞれに読んでいると鬱々としてきそうなシーンもあります。だけどだからこそ、”そういうもの”なのかなと思えてわりと好きな一冊でした。

0819 NO.21■「シティ・マラソンズ」p213/文芸春秋/10/10
ニューヨーク・東京・パリで行われるシティマラソンをモチーフにした短編集。著者は順番に、三浦しをん・あさのあつこ・近藤史恵(敬称略)。
NY:社長命令で突然NYマラソンに出場することになってしまった主人公。若い頃は選手だったものの社会人になってからは運動することも久しくなり、突然のフルマラソンに驚きつつも社長命令を実行すべくとにかく動き回る。実際にどんな場所をどんな人が走っているのかわかる作品。社長命令ひとつで動かなければならない理不尽だけれど、それを戸惑いつつもやろうと決心して入社時を思い出すシーンが好きでした。
東京:その昔、長距離ランナーとしてオリンピックをも夢見た自分は今一回の職人として働いている。そんな折、ずっと連絡が取れなかった友人から連絡が入る。「東京マラソンを走ることにした」。彼との思い出、学生時代の自分、そして今の自分。積もった思いはどうにもやりきれなくて。ランナーの物語なのかと思いきや、市民マラソン・走るよろこび・そして違った立場から見たそれという租借方法でした。あさのさんらしい、学生のようなみずみずしさを髣髴とさせるお話。
パリ:やりきれない思いを抱えて、パリに留学した主人公。上を見れば切りがないことも、自分の実力もわかってはいたけれど、それがあまりに身近だったこその悔しさを伴った。なれないパリの街をぼんやりと歩く彼女のもとに、一人の女性と犬が現れて…。バレリーナを目指していた彼女が見つけた走るという事。こちらもNYと同様にお祭りのように楽しそうな市民マラソンの様子が描写されていますが、どこか鬱屈としたパリの街の様子もあいまって、やはり違った印象を持ちました。風景の描写が好き。どこにも「走る」がキーワードにない少女がどうして市民マラソンに参加しようとするのか、その流れが面白いなと思いました。42.195キロ、普通に生活している人にはなかなかに大変な数字で、だからこそなぜ走るようになったのかが私は好きでした。

0814 NO.20■橋本紡「ハチミツ」p269/新潮社/12/06
ストーリー:母親の違う姉妹三人が暮らす吉野家の父親が家出した。だからといってどうにもならないと淡々と朝食の支度をする末の杏、メモを見つけるなり慌てふためく姉の環、そしてぼんやりとメモを見つめながら考え事をする一番上の姉・澪。いびつな家庭ではあるが、いがみ合うこともなく適度な距離感を保ち家族としての生活を送る三人だが、それぞれに少しずつかけているところがあって…。
高校生の杏、20代半ばの環と30代半ばの澪。それぞれに性格は違いそれぞれの恋愛事情をはさみながらお話は進行していく。ストーリーをまとめるにあたって、なんてことないような文章しかかけなかったけれど、きっと実際にもそんな感じ。母親は違っていても家族のように接し、けれどちゃんと相手との距離感を持ち心地よい、一般的とはいえないけれど彼女達にとっての家族の形というのが面白いなと感じました。そうかと思えば、突如として大胆な動きに出たり、うろたえたり。面白い!というよりも橋本さんの作品としてはどことなく捉えがたくて、だけどそれがいいような、キャラクターが立っている作品なのかなとぼんやり感じます。三姉妹の誰にも深く共感するわけではなく、この人たちは何を考えてどうするのかを知るのが面白くて、こういう関係もいいなと思ったり。
何がどうこうという理屈よりも、彼女達のちょっと変わった家族としてのあり方をそのまま追っていくのが好きで、そっと心に残る一冊。アイスを買いに行くくだりが好きです。

0801 NO.19■五條瑛「上陸」p290/講談社/05/04
ストーリー:いつからか日雇い現場を3人で回るようになった金満達。二十歳そこそこで前科持ちの安二、真面目な不法滞在者のアキム、そしてサラリーマンをしていた金満の三人は、金はないが他者の生活に干渉しすぎず金には手をつけない共同体として一緒に生活するようになるが、どこからか面倒ごとに巻き込まれたり、騒動になってしまったりで…。
短編連作で五條さんらしい小説です。それぞれの事情で稼いでも稼いでもお金がたまらない三人。自分達がこれ以上になれるきっかけはそうそうなくても、さらに落ちる不安とともに日一日を過ごすのですが、問題が起こる。その落ちどころがとにかく五條さんの小説を確かに読んでいるのだなと感じるものばかりで。不法滞在者、在日外国人の女、それを手のひらで転がす者たちもいれば、宗教や文化・生活の違いから生まれる齟齬。それぞれに三人とは苦しい立場でどうにか生活していて、三人も彼らを助けようとは決して思っていない。ヒーローになりたいのではなく、自分達の生活を考えて足元を考えつつ生きている。そんな様がちょっと重たいなと思う小説でした。特に一編目の「地底に咲く花」で語られた不条理は、こんなこともあるのだと呆然としました。そして東の果てのアキムの表情。

0728 NO.18■伊藤たかみ「カンランシャ」p236/光文社/09/06
ストーリー:ふと気付いたときには、夫である直樹に恋人の影がちらほらと見え隠れしていた。仕事が忙しい夫と夕食を食べられなくても、約束が流れてもやはり今あるままがいいという思いを漠然と抱えたいずみは神経を麻痺させて日々を送る。そんな中、直樹の後輩であり既婚者の隆一が突拍子もないことを言い始めて…。
結婚よりも離婚の方がエネルギーが必要といいますが、まさにそんな題材の小説でした。じんわりにがくて苦しい。好きで結婚した人を心からにくいとも思えず、相手の女性へも向けられず、ただただ孤独に部屋で生活をするいずみという女性が私は少しわからなくて。何で?という気持ちは多少あっても、日常を壊してしまうことを恐れて、でもやっぱりそっと心がはなれていることを感じて孤独になる。これが身にしみてわかる時と時間がきたら、それは想像を絶するものなのだろうなと思う…。と同時にだからこそ、直樹のどっちつかずの態度にはたいそういらいらしました。買い換えればいいって、つまりはどちらも欲しいって事でしょう?どういう事なの、と憤りを感じた。結局のところ、結婚して適当な時期に子供ができて、それが進むべき道なのかなと思わざるを得ない何かを感じました…。大人になるって、どんどん自分ががんじがらめになっていくような印象が強くなってくる。義務と責任ばかりが大きくなって、自由というものは本当に手に入るのだろうか。

0727 NO.17■島本理生「波打ち際の蛍」p203/角川書店/08/07
ストーリー:精神的に不安定で人と接することに恐怖を感じる麻由。けれど相談室で声をかけてきてくれた蛍は、事情を察知して自分をそっと大切に扱ってくれた。ことさら男性には恐怖感を抱いていたのだが、いつくしむようにやさしく話すことが出来てちょっとずつ蛍に惹かれ始める自分を感じるのだが…。
少し乱暴な感想になりますが、久しぶりに人に触れることがこわいという気持ちをまざまざと見せ付けられました。傷つくのが怖い、どうしたらいいのかわからない、私がおかしいの?わからなくて、いろいろ思い出してなんだか苦しいけれど、相対した人が穏やかだったからそのやさしさで読めてしまった気がします。アンダスタンド〜が直木賞候補になったと最近知り、でも私はこっちの作品の方が好きだなと感じました。そしたら、あとがきで原点回帰を考えたというメッセージがあり、ああそうだね、そうだよと感じました。相変わらず息苦しい設定が続いているけれど、アンダスタンドと違うのは、蛍という人間が完璧ではなかったこと、そして大人だったこと。

0723 NO.16■あさのあつこ「NO.6完全ガイド」p119/11/06
これを読書の一冊にカウントするのは少し違う気がしますが…。
やっと読み終わったNO.6。今までの装丁を担当されていた城所潤氏が引き続き装丁を担当し、中ではアニメ化を意識してtoi8さんのネズミや紫苑、それに街の線画などが掲載されています。鉛筆画のような絵ですが、かなりしっかりした設定画だなと感じるもので、アニメとは違った角度から描かれていたのが新鮮で見ごたえがありました。
内容としては文庫9冊分のまとめ、さらにそれぞれから見て取れる情報(ある日の食事事情、火藍のお店の様子、子ネズミたちの活躍現場等)、へぇ〜と思うようななくてもものを絵を交えて掲載しています。なくても構わないし、整頓すれば見えてくるけれどあったら少し楽しいような。
印象的だったのは、あさのあつこさんのこのお話を造ろうと思ったきっかけ。それがさらに結末での個人へと発展した様子は、本当になるほどな〜と強く思ったものでした。知ろうとしない、それは私達にも当てはまるかもしれない。けれど、3万人のそれを幸せの上に成り立っていると書いてしまうのは間違いだと思う。「名も泣き毒」を読んですぐのこの時期だからこそ、すべてが整った国家に存在する人間が皆幸せであると定義することは難しいことであると思う。なによりも、現在私達が本当に置かれているこの社会では言論の自由も活動の自由もある程度は守られているわけで、同じ条件で考えてしまうのは難しいと思う。だからなぜ、と考えた著者はやはりNO.6寄りの立場に立ってみているのだろうと思わざるを得なかった。ほんの一文だったけれど、なんだか違うと思ったこと。
ですが、一方で同性同士の関係を描きたくてつくったというのも納得できる気がします。どこまでをよしとするかは微妙な小説だと思いますが、その関係性と思いというのをこういう風にあさのさんが作っているというのはおもしろいなと。私達が見ているものが物語に織り込まれた感情なのに対して、これらはまさに作者が作ったテーマという核心部分ですね。

0722 NO.15■あさのあつこ「NO.6#9」p203/11/06
ストーリー:決死の思いで矯正施設から脱出した紫苑とネズミ。しかしネズミの容態は一刻を争い、どうにかたどり着いた顔見知りの医院で手当てを施され一命を取り留めるのだが、一方で街は混乱に陥り、先導者達は住民をあおるようにしむける。市民を虐殺することもいとわない研究者と戸惑いながらも実行する市長に、市民は不安と怒りをない交ぜにし、ついに爆発するのだが。ついに登場するエリウリアス。ネズミと紫苑の今後は…。
8巻を読んだ時点でわからないと書いたことはここで清算されています。なぜ紫苑たちの体から虫が生まれ、そして規制された人間は老化して死んでしまうのか。矯正施設の意味、沙布の意味、そしてエリウリアスの意識。ネズミ・紫苑、イヌカシ・力河、火藍、NO6中枢部、沙布、たくさんの視点からつむがれているお話でしたが、わかりやすくて面白かった。

0718 NO.14■宮部みゆき「名もなき毒」p489/幻冬舎/06/08
再読。前回は感想をかけなかったので、もう一度読もうと思っていた本です。
ストーリー: 広報室で働く杉村は、部下として雇った女性に手を焼く日々だった。その一方、世間では突如として怒った無差別連続毒殺事件が世間に恐怖感をもたらし、偶然知り合った女の子は実は遺族で…。人の好い杉村は、なんだかんだで事件を追うことになるのだが…。
うまく説明できないのですが、いくつかのお話が錯綜しています。
広報室「あおぞら」における、原田いずみという女性への疑念と不信感。青酸カリを用いた無差別殺人事件。その遺族である少女ミチとその母親である暁子。調べていく最中に知り合った北見氏に秋山氏やゴンちゃん。いろいろな人の人生が重なり合い折り合い、あるのがこのお話のおもしろさでもあると最初に読んだ際に感じたように思います。ほっとするほどの幸せがつまった杉村の家庭と、相対するのもつらくなるような現状があるのが世の中であって、だけどやっぱりつらいなと思わざるを得ないような…。ぼんやりと。解決について考えつつ読んだのですが、結局解決方法なんてないのかもしれない。もう少し面白かった印象があったのですが、思ったよりも普通に面白いくらいでした。^^;

0714 NO.13■あさのあつこ「NO.6 #8」p193/講談社/09/07
ストーリー:ついに沙布との対面を果たした紫苑とネズミ。沙布はそこでマザーを壊して欲しいと紫苑に頼む。沙布とネズミに語りかけるエリウリアスのなぞ。そして矯正施設からの脱出はは足して成功するのか。その一方で、街では次々に人が老人化して死亡するなぞの突然死が多数発生していた。これが何を意味するのか、不安が膨らむ火藍だが…。
満身創痍、キズだらけになりつつそれでもどうにか帰ることを目指して進む紫苑たち。エリウリアスがどうして沙布に適合したのか、なぜネズミと関係し、そして紫苑はどの立ち居地にいるのか。なぞがなぞを呼ぶ8巻。街での変死事件も、聖都と呼ばれたNO.6のトップ達が成し遂げようとしたことも何もわからない。次の最終巻で何が待っているのかな。

0713 NO.12■あさのあつこ「NO.6 #7」 p194/講談社/08/10
ストーリー:いよいよ矯正施設への潜入を開始する紫苑とネズミ。沙布は無事なのか、強制施設内を突破できるのか、不安と緊張で身を引き締め直すネズミをよそに、ふっと笑う紫苑。一方でイヌカシと力河はネズミの指示を受け、施設へ向かい…。
最後、少し絵として想像したくないようなシーンが出てきました。そうかもしれないと思っていたとしても、やっぱりそれは見たくはない。どうなるのだろう。その一方で、6巻までの矯正施設。絶対無敵、入ったら出てくるもののいない要塞がついに全貌を新たにします。どんな仕組みでどんな設計なのか。美しいまでのネズミの一挙一動とどんどん自分が見えなくなってくる紫苑。この先に何が待ち構えているのだろうとどきどきしながら読み進めた7巻でした。

0706 NO.11■橋本紡「今日のごちそう」p283/講談社/12/03
食べ物にまつわる掌編集。伊達巻から始まる目次は、他にも花見弁当など季節を感じさせるメニューもちらほら。その一方でいさぎよく題された豆、なんていうのも印象的でした。笑 作中でさっと作り方に触れつつ、食にまつわるお話が10pずつつづられています。
全体的に社会に出て数年、少しずつ酸いも甘いもとまではいわないものの、いろいろな面を見てきた登場人物達が出てくるので、そのくらいの年齢がターゲットなのではないかと感じる内容でした。しかし掌編なので、重たいということはなく、むしろへぇとかふむとか。なかなかこれがいい!とは言いがたいけれど、電車の中でさらっと読むのにはぴったりです。

0629 NO.10■森絵都「この女」p309/筑摩書房/11/05
ストーリー:釜が崎のドヤ街を住処としている礼司。住所も職業もない礼司は、日勤の仕事に明け暮れる毎日だったが、ある日「自分の妻の人生を一冊の本にまとめたい」という話が舞い込む。破格の値段を提示され、ひとつ返事でうなずいた礼司だが、その女は一筋縄ではいかなくて…。
タイトルからは一体全体どんな作品なのか全くわからなかったのですが、森絵都さんの新作という事で手に取りました。重厚さに圧巻でした。森さん、もともと一般向けの文芸作家さんになりたかったのではないかと思うほど、構成がしっかりしてるなー。
さて内容。一筋縄ではいかないその女でしたが、案外メインはそういうお話ではなく。伏線が張り巡らされ、世の中の仕組みがおのずから垣間見えるお話でした。実際の世の中、本当に綺麗な話だけじゃないものですね。

0627 NO.09■島本理生「クローバー」p259/角川書店/07/11
ストーリー:東京で双子の姉・華子と二人暮らしを始めた冬治。しかし華子は男癖が悪く、何かと厄介ごとを冬治の元に持ち込むのだが…。というお話が2編程度続き、その後大学3年生をすごす冬治のお話になってきます。物理学科に入学したゆえの、これからの将来。進学なのか就職か。それに東京に残るか地元なのか。彼女はいないけれど、華子と熊野氏と学科の友達でそこそこ楽しく悩める日々を送る。
まさに青春の一ページ。進路に恋愛に、交友関係。それぞれのキャラクターに味があって等身大だからこそすごく共感しました。特に泣き笑いだったんだろうなとぼんやり浮かぶ雪村さんのけなげさと、冬治の葛藤が印象的でした。
この本を、発刊当時の私が読んでも「そんなものなのかー」で終わってしまった気がする。恋愛も、仕事も、進路も、結局のところは私という人間の枝なんだと強烈に思わされた本。最初は、今の時期に読めてよかったと思ったけれど、読み進めていけばいくほど悔しい気持ちばっかりが思い浮かんできて、半ば結構きついなって思った。主人公が抱えていたものは、そのまま私がぼんやりと日々思っていて、だけど直視できないしあまりしたくないし、正直なにをどうしたらいいんだい?って聞きたくなるような。
立派な学歴や、結婚すれば安泰と思えるほどの恋人はいないし、何よりも絶対的な信念をもてずにきた人間には刺さる。久しぶりに、「だから私は島本さんの著書が好きなんだ」と思った。人生、いろいろな苦労があるだろうけれど、それでも私はやっぱり自分に対しての思いというのが最も大きいと思う。恋人も同僚も周りの人すべて、つまるところは自分があるからあるもので、自分がどうするかが反映されてくるものだから。

0608 NO.08■伊坂幸太郎「グラスホッパー」p322/角川書店/04/07
ストーリー:妻をひき殺した男に復讐を誓い、彼の会社に潜入した「鈴木」。しかし、その男は鈴木の目の前でひき殺されてしまう。何がどうなっているのか混乱しつつも、鈴木は”押し屋”と呼ばれる男を追って街を走る。一方自殺屋と呼ばれる男「鯨」と、殺害なら何でも行う「蝉」。彼らも裏家業として動き出すのだが…。
誰がなぜ寺原長男を殺したのか、全くの一般人である鈴木の行く末がどうなるのか。鯨や蝉とのつながりは?気になる事だらけのお話が3人からの視点で順々につむがれていきます。そのテンポのよさは心地よいスピードで300pを全く感じない展開の心地よさでした。これは映画化するのは難しそうだな…と思いつつ、裏社会って案外いろいろな職業があるんだなぁとぼんやり眺めていた感じがします。
面白かったし読みやすい一冊。これから伊坂さん制覇目指して読んでいこうと思います!

0524 NO.07■島本理生「アンダスタンド・メイビー 下」p332/中央公論新社/10/12
ストーリー:東京へ出てアシスタントとしての生活を始めた黒江。憧れのカメラマン・仁さんは、普段はグラビアの写真家として活動し、それに同行する経験を積む日々。生活はぎりぎりだったけれど、一生懸命歩む黒江の前に、突然彼が現れるのだが…。
上巻の続きです。あんな結末を迎えて、下巻では生き方や仕事を探すのだろうなーと思っていたら。やっぱり恋愛がメインのお話ではなかったです。賢治君が出てきたあたりからあやしいなーと思っていたことをずばりとやよい君は言い切るし、つまりはそういう事なんだろうなーと。第三章までのつかの間の安心感もそこそこに、第四章では、ははぁ…と思ってしまうような展開。苦手な方もいらっしゃると思うので、巻末の参考文献を先に見ることをオススメします。どんぴしゃで掲載されているので、なんとなく展開が読めるかと…。
作風として「あなたの呼吸が止まるまで」と少し似たような印象を抱きました。じんわりと奥歯で苦虫をつぶしてしまったような感じが人を選ぶ気がします…。

0521 NO.06■島本理生「アンダスタンド・メイビー 上」p367/中央公論新社/10/12
ストーリー:茨城の風に吹かれて、私は今日も生きています。つくば市近辺に母と住む黒江。ゆらりと波間をたゆたうように、同級生の中で彼女は日々を過ごす。すこしでこぼこトリオの中学時代、黒江は心の澄んだ転校生を見つける。外見的にはおじさんのような彼だがしっかりと向き合えば向き合うほど落ち着ける人だった。だがしかし。そして時は流れ高校生。自分とはタイプの違う百合ちゃんと友達になったことで、黒江は中学時代とは違うタイプの人たちと友達になるのだが…。
きっと、恋愛がメインのお話。中学時代のやよい君の純真さには本当にふと惹かれるものがあります。ゆえに、彼女が彼を好きになっていく過程は本当にどきどきと甘い初恋のようなゆるやかで素敵な恋愛だった。それに対して、第二章における恋愛はとても野生的な直感の世界。これはこれで母性本能のような違った愛情の形なんだろうなーとぼんやり見守っていたのですが、最後まで読んでふぅとため息をひとつ。個人的には、友達はやっぱり選ばなければならないなと思います…。世界が違う、その世界をどこまで受け入れてどこまで自分が変わるか、それはすべて自分にかかっているわけで、その分別は持たなければならないと思う…。
繊細で丁寧に感情を描く島本さんですが、こういうちょっとどろりとした一筋縄ではいかないお話を描くなと読み続けてきて思いました。前半はただの甘酸っぱい恋愛小説だったんだけど、下巻でどこにどう着地するのか…。気になるところであります。

0516 NO.05■森絵都「異国のおじさんを伴う」p205/文芸春秋/11/10
森絵都さんの短編集!20pなのでどちらかといえば掌編。ふむふむと状況が理解できるようになって読み進めていると、ふっと何かが現れてさらさらっと終わりがやってくる。そんな、さくさくと楽しめる一冊だと思いますv森さんの長編も良かったけれど、こういう普通の短いお話も好きだなぁ。
「クリスマスイブを三日後に控えた日曜の……」タイトルどおり、独り身の女性がイブ三日前のデパートへ赴き、人ごみに疲弊したいたところ、高級ショップでみた光景が少し変わっていて…。このお話は、疲労困憊した女性の視点から描かれていた点が素敵だなぁと思います。
「竜宮」ジャーナリストとして多少の経験を積んできた私の過去の経験と教訓。ほろ苦いお話。生きているとこういう事あるよね、そして誠実に頑張っていると愕然とするね…と。
「ラストシーン」飛行機に乗り込んだ僕。両脇の人々はおのおの自分の時間を楽しんでいたのだが、着陸寸前にそれが起きた。最後まで読んだときの息を呑む感覚と目の前に突きつけられた現実。シビアな路線でもっとえがいて欲しいなと感じた一作。
母の北上や、桂川〜のお話も好きです。そそっと予想の斜め上を行く結末が。

0506 NO.04■宮沢賢治「ポケット日本文学館2 銀河鉄道の夜」p301/講談社/95/04
宮沢賢治作品を子供にも理解しやすいように、かなをつける・ルビを振る・用語解説をつけるなど工夫されている本書。なんとなくで読んでしまう場合が多々あるので、改めてみてみると、これはアレの事で、これはこんなものをさすのか!という発見がちらほらありました。なので、大人だから原文を!といわずこういった本をもっとオススメしたいです。中にはイラスト入りで語句の解説までされていてオススメ!
収録作品は、タイトルにもなっている銀河鉄道の夜、セロ引きのゴーシュ、どんぐりと山猫、よだかの星、雪渡り、注文の多い料理店、水仙月の四日、「狼森と笊森、盗森」、風邪のまた三郎。有名どころが収録されているので、宮沢賢治入門としては文句のないラインナップになっていると思われます。個人的には雪渡りやセロ引きのゴーシュのような読後感がよく、どこか楽しい作品が好きです。

0502 NO.03■金城一紀「レボリューションNO.0」p157/角川書店/2011/02
久しぶりに書棚をじっと見ていたら、金城さんの聞き覚えのあるタイトルが!
レボリューションNO.6の前日譚のようなお話。相変わらずの僕達で大変満足でした。^^
ストーリー:できないヤツが集まったような僕達の学校で、ある日、集団訓練という名のスパルタ合宿が始まった。
到底できっこない課題を出し、へとへとになっていく僕達にそれでも鮫島たち教師は竹刀を振る。
限界を感じはじめた僕達に、クラスメイトの野口が語ったこの合宿の意味とは。
そして僕達がすべきこと、やら遂げなければならないこととその意味は。
並外れた体力と動力を持つ瞬臣やヒロシ、相変わらず運の悪い山下、抱かれてもいい!と思ってしまうほどのアギー…。もうだいぶ前に読んだはずなのに、読めば「あぁ!」とピースがはまったように思い出せる愛しいキャラクター。理不尽な課題と、過酷な内容。何かを目指しているわけではなく、むしろ逃げたくなるようなこの合宿で、何があるのだろうとずっと思いつつ読んでいました。NO.6の場合、おじさんが(この年ながらも)頑張る!せめて一発でも見返してやるんだ!そういった原動力があったけれど、本作にそういったやる気や目標はなかった。だけどあるときから物語りは本当に動き始める。詳しく書くとネタバレになってしまうけれど、僕達が所属し、付帯する場所。そして自意識と周りの目。それにどれだけの価値があって、どれだけの意義がある?学生だからこその問いかもしれない。だけれど、学生のときからそういった枠組みは確実に始まっていて、だからこそ高校生である彼らがこういう事を強く思い、変えていこうとする姿はとても力強かった。大人になったとき、出来ることの限界はでてくるかもしれない。けれど、今を一生懸命生きる彼らならば、そんな限界をもしかしたらたやすく別の方法で越えられるかもしれない。そんな何かを私は感じました。最後の見開き2pを、作者がどれほどの思いで書いたのか、私には想像できないほどの思いがこめられていたはず。理不尽さも乗り越えて彼らには生きていて欲しい。

0430 NO.02■高橋治「花ものがたり」p251/新潮社/93/11
下の花ものがたりと同名タイトルだったので、ふと気になって借りてきた本でした。しかしながら、読んでみたらとても丹念な文章で驚嘆。世の様々なものをみてきたのであろう方が書くお話なので、私には分からないこともありましたが、とにかくすごいな、という感想が第一に挙がりました。後に調べてみたところ、直木賞も受賞されているのですね。そりゃすごいに違いない。笑
短編・掌編の詰まった文庫本で、特に気に入ったお話から少し。
ストーリー:娘を嫁に出し、一人の我が家へ帰宅した稲城は彼女の姿を目にする。
日本はまだ認知されていなかったパフューマーの第一人者として、研究にいそしむ稲城。
香りを選び、あわせ、作り出し、いつかは自分の作品を作ることを夢見る稲城だったが、
見合い結婚をした妻は、ある日家を出た。
まだ10の娘と稲城の新生活に、彼女はそっと現れたのだった。
「薫る朝」より
あぁ、全然うまくかけないのですが、パフューマーとしての道をどんな風に歩んだのか、そして研究がどんなものになっていったのか、人としての人生はもちろん、様々なところがそれぞれにきめ細かく魅力的に織り込まれています。代表作や受賞作は別にあるので、今後他作品も読んでみたいと思います。

0418 NO.01■立原えりか「花ものがたり」p167/小学館/93/03
見開きに必ず1点はイラストが掲載されたまさに児童書です。絵はもと なおこさん。少女マンガのような繊細でふんわりやさしい絵柄です。
お花をモチーフにした世界各国の民話や神話をやさしい文体でわかりやすく15編掲載しています。私はスズランのお話が好きでした。スズランの花は妖精たちが集まって楽しんだとき、コップ代わりにして露草を飲むのよ、そんなくだりが素敵で。^^ 春の妖精さんたちが集まって何をするのか決めている様子なんかも可愛いv民話などはあまり見ないので、こういう形で読めたのは良かったと思いますv難しい文章も、感情移入して読む小説もいいけれど、たまには気を抜いてさらさらっと楽しめる本を…♪
最終更新日 12/07/14